『そこのみにて光輝く』を見た

フィリップくんが出てるというので見てきました。龍騎見てなかったのでよく知らないんですけど主演の綾野剛仮面ライダーだったんですねー。

ということで、以下ネタバレかもしれないしネタバレじゃないかもしれない。

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一つ、達夫は山で働いていて部下を死なせてしまった。二つ、それをきっかけに仕事を辞めて街に来た達夫は拓児と知り合う。そして三つ、夏祭りの日に不幸フラグが乱立する。(しかしほとんどは回避される)

映画全体を通して、映像がすごいなあという印象です。メリハリというか、海水浴のシーンの達夫と千夏は光がキラキラしてすごく綺麗に撮られてたり、最後の社長と千夏のドライブはやけにホラー映画っぽくて「これ死ぬだろ!絶対死ぬだろ!!」って不安を煽るし、なんかもう自由自在ですね……。拓児は笑顔で「ありがと…えっ」って死ぬと思ったのに死ななかったのが不満です。無駄なシーンも間延びした感じも一切なくて、ああいい作品ってこうなんだなあとぼんやり思いました。

 

フィリップくんのご活躍ですが、拓児の登場から1分で「田舎のDQN兄ちゃん」が完璧すぎて驚愕しました。仲間だと認定すると急に「気ぃつかうなって」ってなるママチャリ乗った茶髪プリンのヤンキーですね。姉や両親には「うっせーな」とか言いながら、偉い人にやけに「はい!」って愛想がいいのもヤンキーっぽい。ついでに歯が欠けてるか溶けてるかしてるように見えたんですけど、あのメイクどうなってるんだろう。

登場からすごく出番が多かったので、前半で退場するんじゃないかと思ってました。主人公の達夫が口数少ないタイプで、拓児がずっとしゃべってるタイプなので、セリフは一番多かったんじゃないかなあ。こんなに重要な役ならもっと名前大きく書いておいてほしかったです。二人で一人の仮面ライダーくらいの扱いでいいのに。

しかし、あのフィリップくんがすごい役者になるとは思ってなかったです。「おい!」とかまったく棒読みじゃなくなってたのが少し寂しいのは気のせいだと思います……。菅田将暉って変換しにくいからフィリップくんって言い続けますけど、全然フィリップくんじゃないし、今あの棒読みフィリップやれって言われたらもうできないんじゃないかなあ。

 

単なるDQNというよりは拓児と千夏の一家はIQ調べたらギリギリ軽度知的障害に認定されるんだけど、知能故に病院で診断受けて行政に支援を受けることも知らない家なのかなあと見ました。考えすぎかもしれないです。制作側に、そういう社会に見捨てられてる人の悲惨さを描く意図はないと思うし。

どちらかというとハッピーエンド寄りの映画だと思います。ポスターはラストの朝焼けのシーンで、まさに新しい人生が始まる瞬間のお話っぽい。

 平日の午後の回でも満員に近かったので、チケットは事前購入を激しくおすすめします。パンフレットは有楽町の劇場では売り切れっぽかったです。