『惡の華』を見た

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井口昇大好き人間としては、監督自ら公開に合わせてツイッターであれだけPRしてる作品ってすごい期待してしまう。コミックス全巻セットで買ってしっかり予習してる間に近所の映画館は上映終わってた。

 

井口昇ってもしかして天才か?

全作品見たわけでもないけど、もしかしてこれは井口昇の最高傑作ではないかと。井口昇ってもしかして天才なのでは?
原作漫画よりも「思春期に、今、苛まれているすべての少年少女と、かつて思春期に苛まれたすべての少年少女に」の主題が直球になっていていいと思った。

1本の映画で単行本11巻分をやるので、全体的にダイジェストのようになってしまっているのは確かなのだけど、その中で「そこじっくりやるのか!」というところがある。そこに良さがあふれている。

物語の序盤で佐伯さんの体操着を盗むまで。体育の時間にハードルを跳ぶ佐伯さんの尻もじっくり撮る。袋を拾って、白いシャツの下からブルマが出てきて、匂いを嗅ぐところはクロッチ部分を吸い込むまでをじっくりやる。
『男であることを呪う』と言われて思い出すシーンですね。井口〜って感じの撮り方だったし、原作者と意気投合するのもわかる〜。 

 

 玉城ティナが最高

玉城ティナの仲村さんは、『Diner ダイナー』の玉城ティナよりもかわいい。

日曜日に春日くんと佐伯さんのデート覗き見する仲村さんがかわいい。黒ワンピースにニーハイ姿が似合っててかわいかったから、自室のシーンでちゃんとワンピースが写ってて嬉しかったな。

教室を墨汁と絵の具でめちゃくちゃにするシーンの仲村さんは、アイドルの女の子みたいだった。いかにも田舎の中学生っぽい冴えない服で、机の上にのぼってはしゃいでるだけでアイドルのステージだった。かわいい。とにかくストレートにかわいいというギャップ。「クソムシが」の怖い仲村さん、「私が契約してやるんだ」と上から目線の仲村さん、笑顔のかわいい仲村さん。

そこから間もなくの夏祭りで公開焼身自殺を決行する仲村さんもまたよかった。
今から思えば些細な事で切羽詰まって、死ぬことでしか誰にもわかってもらえないという考えに取り憑かれる、あの思春期の息苦しさがせまってくるような叫び!すごい女優だと思った。

どの場面だったか、春日くんと仲村さんが手のひらを合わせるところ、仲村さんの手が小さくて細くてなんかもうどうしようもない感情になってしまった。


いろいろ

・中学校の場面で、春日くんの友達がデュクシってじゃれてるのが普通の中学生男子っぽくてよかった。春日くんは絶対そこに混じってデュクシって言わない!浮いてる子だろうなって、何気ない一コマで説得力を持たせてる感じ。
・春日くんと仲村さんが「向こう側」に自転車で行こうとして、失敗する山中の場面。へたり込んで雨に打たれる春日くんを俯瞰で撮ってるんだけど、アスファルトに\出口/って書いてある!映画〜〜〜
・春日くんの喘ぎ声を執拗に撮りすぎでは?井口監督は伊藤健太郎くん好きすぎないですか。
・登場シーンで階段を降りてくる常盤さんがすごい。原作の再現度がすごいというのを通り越して、飯豊まりえが友達とああいう風に歩いているところを見て原作漫画の常盤さんというキャラクターが生まれたんだと思う……。
・仲村さんのお父さん、酒飲みでタバコ吸ってダメ人間なのに、あの貧乏そうな家の中で白い歯が輝いていて気になってしまう。

 


劇場メモ
京成ローザ10のイースト3シアター、D列で見た。
座席を選ぶときに最後列が埋まってて不思議だったけど、これは最後列がちょうど目線の高さだろうなあ。D列からはスクリーンを見上げる感じだった。

JR千葉駅からの行き方
改札を出ます。ルミネのところの下りエスカレーターに乗ると、東口の「花の都・ちば」に出ます。
「花の都ちば」の右側を進むと、高架下に「C-one」という駅ビルみたいなのがあります(FASHION STREETらしい)
そのC-oneをずっとずっと直進して通り抜けて、信号の先にROSA10と書いてあるビルが見えます。