『ミュージカル封神演義-目覚めの刻-』を見た

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昔々、クラスメイトの腐女子に布教されて読んだ青春の思い出が詰まった作品『封神演義』までもが2.5次元になってしまった。古傷が痛むから絶対避けるのに、陳内将が天化じゃあ行くしかないだろう……。
私は漫画では聞仲様が好きでした。  

どのような作品でも
きっと色んなご意見があると思います


が、この時代に
このカンパニーで作り上げることが出来た封神演義です
それは胸を張って言いたいです*1

 無駄に思い入れのある作品のミュージカル化。しかも陳内さんのブログを読むと、よほど賛否両論割れるようなものなのかと不安が膨らむ。
終わってみたらとにかく楽しかった!藤竜の漫画よりこっちのほうがいいくらいだ。

 漫画とミュージカルの間

 藤崎竜の少年漫画『封神演義』って、古代中国を舞台に、一見小柄で弱そうながら実は超強い主人公の太公望が、仲間と力を合わせて悪女の妲己をやっつけるぞ!バトルに勝って世界は救われました!っていう王道話。だけど連載初期はとくにストーリーはだらだらしてテンポ良いわけではなく、のどかな仙人たちの日常系コメディ半分というイメージがある。
その点ミュージカルは洗練されていておもしろかった。緩急は適度に、無駄は削り、重要な部分は藤竜版に肉付けされて正統派バトル物の感じ。楊戩や哪吒、黄父子がいかにして太公望の仲間となるかが主軸ですっきりしている。

ミュージカル版の主なエピソードとしては、太公望妲己の因縁、格上の楊戩が太公望の人柄の良さに一目置き、妲己に家族を奪われた飛虎は武成王の地位を捨て殷を去る。飛虎に国境を越えさせるなという聞仲の指示で太公望チームvs四聖のバトル〜命からがら西岐に到着まで。
原作漫画から一番アレンジされてると思ったのは哪吒のエピソードかなあ。ずいぶん深く、時間も使って描かれてた。自身の出生の秘密、人と違って生まれたこと、それによる家族の不仲、人間の肉体を失い蓮の化身となった自分にとって親子の縁とは、そして父を乗り越え旅に出る……。たしかに2時間かけてもいいような背景を持つキャラクターだった。

いろいろ

哪吒パートで妲己と申公豹がデュエットする宝貝人間の歌がとてもかわいくて良かった。このミュージカルは好みの曲が多かったんだけど、音楽のtakさんってどちら様なのか。
振り付けも手に持っている宝貝をギターに見立ててエアギターしたり、マイクスタンドに見立てて熱唱したり、藤竜絵のキャラがやってても違和感ないコミカルさがかわいい。
ミュージカルって歌のシーンが好みだと楽しくていいものだなあと、この作品でミュージカル形式そのものが好きになった。
アンサンブルっていうんですか、バックダンサーの踊りも中華風で華やかでかっこよかったし、名もなき村人の死に様もよかった。

聞仲様がよかった

全キャラ再現度高くて良かった中で、なんといっても聞仲様が素敵。外見も歌声も、漫画のイメージにぴったりでした。ぴったりなんだけど2次元から抜け出たようというのを超えていましたね……。原作より良い悪いではなくて、漫画版の聞仲とミュージカル版の聞仲が対等に同時に存在しているとかそういうなにか。
「香水は肌にのせると体臭と混じり合ってその人だけの香りが立つ」と言われているのを思い出したりします。漫画版と同じ聞仲だけど、最高にかっこいい唯一無二のミュージカル版聞仲というキャラクターが完璧に存在している感じがしました。
このミュージカル版聞仲様の最終決戦vs普賢戦を早く見せてくれ。私から運営様へのご意見ご感想リクエストはただそれだけです。何卒。

 

 

劇場覚書

EXシアター六本木

都01(新橋ー渋谷)バスが目の前で便利。六本木はなかなか道路を反対側に渡れないところに注意(地下道を逃すと六本木駅まで戻る)

六本木駅とexシアターの間にあるタリーズのところを奥に入るとシナボンがある。おいしい。

小さいロッカーは300円で、ロッカーの隣に両替機がある。

 

2階最前列右寄りの席。全体に見やすくてよかった。